■“有翼人物像”とスタイン | ||
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■スタインが考えた“有翼人物像”の秘密(ひみつ) | ||
スタインは、この“有翼人物像”(天使像)は、ギリシア神話(しんわ)に出てくる翼を持った青年エロスが形 (かたち)の先祖(せんぞ)だと考えました。 理由のひとつは、この天使像が、西洋の原始キリスト教 (きょう)の教会の天使像に似ているように思えたこと、理由のふたつ目は、ミーランに比較的(ひかくてき)近いガンダーラ地方(ペジャワール周辺)のギリシアふう仏教美術(ぶっきょうびじゅつ)の彫刻(ちょうこく)では、エロス像を模(も)した彫像(ちょうぞう)が見られたため、ミーランにその影響(えいきょう)があっても不思議(ふしぎ)ではない、と考えたのです。 また、スタインはこの仏塔(ぶっとう)の近くで、同じように西洋ふうのデザインで描かれた人物像を見つけています。 ギリシアふう仏教美術は、ミーランまで伝播(でんぱ)していたのです。 |
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■天使が飛天(ひてん)になった? | ||
では、ここで、西洋(ヨーロッパ)から東洋(アジア)の間(あいだ)の色々な天使像を見てみましょう。 | ||
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■東西文化の交流 | ||
このように、異(こと)なる土地の文化や美術、考え方(かんがえかた)や人ががお互(たが)いに影響(えいきょう)しあうことを、文化交流(ぶんかこうりゅう)といいます。 土地Aの文化がその近くの土地Bでそのまま受け入られる場合、その土地Bにもとからある土着文化(どちゃくぶんか)と一緒になって新しい文化になる場合、受け入れられない場合、などがあります。 そして、その土地Bの文化は、またその近くの土地Cへ、土地Cの文化は土地Dへ、と影響は続いていきます。 “有翼人物像”は、西ヨーロッパのギリシア・ローマの文化(ヘレニズム文化)が、中央アジアの文化(ガンダーラ仏教芸術)に影響を与え、それが東アジアへ伝わった一例(いちれい)です。 |
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■自分でもっと調べよう | ||
<本をよむ> |
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<インターネットを見る> |
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