神戸市震災オープンデータの現地調査 - 2015年2月1日 神戸 | メモハン

利用データ

イベント概要

10:00 JR三ノ宮駅 金の鈴広場集合
10:00-12:00 三宮周辺での現地調査(午前の部)
12:00-13:00 昼食(三宮周辺)
13:00 JR三ノ宮駅 金の鈴広場集合
13:00-15:00 三宮周辺での現地調査(午後の部)
15:00-16:00 意見交換(三宮周辺)

本イベントは、Code for Kobeの協力を得て実施しました。

イベント報告

寒波の影響で時折雪が舞う中、三宮周辺でメモハンを用いた現地調査を行いました。午前は神戸市役所の方と、午後はCode for Kobeの方と駅周辺を歩きながら、震災当時の写真と現在の風景を重ね合わせ、その写真がどこで撮影されたものかを調べていきました。

今回は初めて子供たちが参加してくれました。子供たちは説明する前からすでにアプリを使いこなしており、「早く撮りたい」とやる気マンマンでした。写真の透明度を変えるやり方を教えて、震災後の風景に合わせて撮影するようにお願いすると、早速周囲を歩き回って「ここかな」とスマホを構えて写真を撮影していきました。

とはいえ、昔と現在で風景が大きく変わっていると、両者を合わせるのも簡単ではありません。そんな時に大人たちが助け船を出します。例えば「あの看板に注目してあそこを合わせてみたらどう?」など。メモリーハンティングでは、風景のどこに注目するかが重要な鍵となります。もちろん、かつての風景を知っていれば注目ポイントも探しやすい面はありますが、20年も経つと以前の風景の記憶も薄れてきます。風景のどこが変わりやすくどこが変わりにくいのか、風景の読み解きにも頭を使わなければなりません。

阪急の神戸三宮駅には、かつて現在よりも高いビルが建っていましたが、震災後に取り壊され、今はその面影も消えています。何もなくなった空間にカメラを向け、かつてあった風景と重ね合わせて写真を撮影していきます。自分たちが生まれるはるか前に起こった震災。これまで想像したことのなかった風景の変化に、子供たちも気付いたのではないでしょうか。写真を撮り終えた子供たちは、どこか誇らしげな様子でした。

Code for Kobeの参加者の皆様、ありがとうございました。

メモリーハンティングのギャップ

このアプリには2つのギャップがあります。まず、文章の説明を読むだけだと、どんなアプリか理解しづらいのに、1度でもやってみれば、子供でもどんなアプリか一瞬で理解できます。このような理解度のギャップは何が原因なのでしょうか。日常生活の中ではこのアプリに対応する状況が存在しないため、既知の経験からの類推だけでは想像しづらいのかもしれません。一方、少し技術に詳しい人だと、似て非なる技術であるAR(拡張現実)と混同してしまいがちです。

もう一つのギャップは、アプリを理解した後に生じます。「なるほど、アプリの目的はわかったけど、そんなの簡単だよね」と最初は思います。ところが、やってみると「あれ?」と、期待は裏切られます。直観的に想像できる難易度よりも、実際の難易度の方がずっと高いのです。「こんなはずではなかった」という感情が芽生え、ゴールを追求する気持ちが生じ、その達成が楽しみに変わっていきます。これは難易度のギャップと言えるでしょうか。

これらのギャップ、すなわち事前のイメージを裏切る意外さが、メモリーハンティングの面白さに結びついているのではないか。そんなことを今回のイベントを通して考えました。

メディア掲載

  1. 1000枚の震災写真がもたらしたもの, 2015年2月16日, NHK NEWS WEB (キャッシュ).