ペリオ敦煌図録図版解説 第1巻 図4

沙武田 (敦煌研究院文献研究所研究员)

敦煌莫高窟の風景。第130窟南大像より東を撮影。画面は、主に上寺・中寺以東以南の局部を示している。窟の前には帯状の人為的な植物区域と低い柵があり、おそらく家畜等の動物が洞窟内に侵入するのを防ぐために設けられたものと思われる。上中両寺の建物は、林の茂みに隠れている。窟前方の平地は、畦で区切りきちんとならしてあり、畦には間隔をおいて木が植えられ、寺院の僧が生活を保障する土地としていたと思われる。河岸地域には疎らに塔が散在している。現在、莫高窟の外観は大きく変化しているが、上寺・中寺・塔は元の場所にあり、後世の人の修繕により、いまなお当時とあまり変わらない情景を目にすることができる。

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