林梅村
北京大学考古文博学院教授
1956年4月生。本籍は広州、北京で生まれ育つ。70年代後期、史学家馬雍門下に三年間私淑する。1977年、北京大学歴史系に入学、考古学を専攻。卒業後は中国文物研究所に配属され、助理研究員、副研究員を歴任。その間、サンスクリット学者蒋忠新氏にサンスクリット語を学び、シルクロード考古学と中央アジア死言語、とくにガンダーラ語研究の道を開く。1993年、アメリカのサンスクリット学者リチャード ソロモン教授の招きにより、ワシントン大学に赴き、中央アジア死文字研究に従事。1994年、北京大学考古学系に奉職。現在、北京大学考古文博学院教授、博士生導師。2002年、日本学術振興会の招きにより、京都・佛教大学の客員研究員として日本で学術交流を行う。2001年~2004年、香港城市大学客員教授として三度香港に赴き、中外文化交流考古を講ずる。2004年、ニューヨーク・メトロポリタン博物館とプリンストン大学考古芸術学部の招きにより、アメリカで学術講演を行う。
研究領域は歴史学、考古学および中央アジア死言語研究の三領域にわたる。1982年から毎年、新疆、青海、内蒙古、甘粛などシルクロード沿線の現地調査を行い、天山南北の重要な遺跡をほぼ踏破し、度々タクラマカン砂漠の奥に分け入り、砂に埋もれた古城を訪ねている。同時にスウェーデン、イギリス、アメリカ、日本などに赴き、海外に流出した新疆の文化財と中央アジアの死言語の調査を行っている。2005年には、中国・中央電視台制作の『一四〇五-鄭和下西洋』撮影班の学術顧問として、東南アジア、中東、トルコなどの国で鄭和の史跡を実地調査した。1984年から今日まで、イギリス『Bulletin of the School of Oriental and African Studies』(BSOAS)、ドイツ『Central Asiatic Journal』(CAJ)、日本『古代文化』、中国『考古学報』、『文物』、『考古与文物』などに発表された論文は百編あまりにのぼる。また、『古道西風』(北京、三聯書店、2000年)、『シルクロードと中国文明』(東京、NHK出版、2005年)など八部の学術専門書が中国と日本で出版されている。
書籍
- 《疏勒河流域出土漢簡》,北京:文物出版社,1984年(共著)。
- 《楼蘭尼雅出土文書》,北京:文物出版社,1985年。
- 《沙海古巻――中国所出佉盧文書初集》,北京: 文物出版社,1988年(1990年4月、イギリス国籍の中国系女流作家である韓素音が設立した「中印友誼賞」を受賞)。
- 《西域文明――考古、语言、民族和宗教新論》,北京:東方出版社,1995年(1996年12月、北京市第四回哲学社会科学科優秀成果一等賞を受賞)。
- 《漢唐西域与中国文明》,北京:文物出版社,1998年。
- 《楼蘭》,北京:中央党校出版社,1999年。
- 《古道西風――考古新発现所見中外文化交流》(ハーバード燕京学術叢書第六輯),北京:三聯書店,2000年。
- 《絲綢之路散記》,北京:人民美術出版社,2004年。
- 《都蘭吐蕃墓》,北京:科学出版社,2005年(共著)。
論文
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