はじめに

 シルクロードはドイツの地理学者リヒトホーフェンが名付けたユーラシア大陸を縦横に走る交易路であり、文化交流の道でもありました。シルクロード上の各地に現れた文化は、シルクロードを経由して各地に伝えられ、新しい文化が生み出されました。ここでは、シルクロード文化遺産の一つである音楽について、シルクロード各地域の音楽文化や楽器、「シルクロードの音楽」の全体像などについてを説明します。

ディジタルシルクロード(DSR)プロジェクト

 ディジタルシルクロード(Digital Silk Road:DSR)は、情報技術と文化の融合によって、シルクロード文化資源のディジタル・アーカイブ、ネットワークを用いたデジタル文化資源の公開、共同研究・作業によるデジタル文化資源の再構築など、シルクロードに関わる多岐にわたる研究プロジェクトです。このような大きな問題は、情報学の専門家のみでは解決できません。国立情報学研究所では、2001年からユネスコや東洋文庫、内外の大学等と協力してこのプロジェクトを進めています。

シルクロードの音楽(DSR MUSIC)

 シルクロード文化遺産の中で、美術、工芸と共に、音楽は重要な遺産です。そこでこのたび、東京藝術大学の先生方に執筆いただいて、ディジタルシルクロードの「音楽」のサイトを新しく立ち上げました。ここでは、シルクロードの音楽について、様々なテーマのストーリーが述べられています。

 このサイトは世界の多くの人たちにシルクロードの音楽にかかわる情報を発信するだけでなく、研究者やシルクロードの音楽に関心を持つ人がこれをベースにさらに探究できる情報を提供しています。

 このシルクロードの音楽のサイトは東京藝術大学名誉教授の柘植元一先生、東京藝術大学教授の植村幸生先生に監修していただき、信州大学准教授の濱崎友絵先生に編集をお願いしました。

 このサイトの総合企画はDSRプロジェクトリーダの国立情報学研究所名誉教授の小野欽司がいたしました。

TOPICS

目次
シルクロードの各時代・地域の音楽の特色・変遷を紐解く17章
執筆者一覧
各章の執筆者を紹介

NEWS新着情報

2015年3月12日
サイトをオープンしました。

目次 

  1. 総論
  2. 古代メソポタミアからササン朝ペルシアに至る音楽文化
  3. 古代インドの音楽と楽器
  4. 胡楽の時代:隋・唐の宮廷における西域音楽
  5. 日本と朝鮮に及んだシルクロード音楽文化
  6. 南アジアの宗教音楽:ヒンドゥーとスーフィズム
  7. イスラーム全盛期の西アジアおよび中央アジアの音楽
  8. ウイグル音楽の歴史と現在:十二ムカームを中心に
  9. 中央アジア遊牧民族の音楽と語りの伝統:クルグズ
  10. 中央アジア遊牧民族の音楽と語りの伝統:トルクメニスタン
  11. 近代西アジアの音楽とヨーロッパ音楽との交渉:トルコを中心に
  12. 環地中海の音楽文化とシルクロード:古代ギリシアとローマ
  13. 環地中海の音楽文化とシルクロード: 近代ギリシアとオスマン・トルコ
  14. 環地中海の音楽文化とシルクロード:イタリアとオスマン・トルコ
  15. 環地中海の音楽文化とシルクロード:セファルド系ユダヤ人音楽家の活動
  16. シルクロード探検史に見る音楽資料
  17. ワールドミュージックとしての新しい「シルクロード音楽」の創出

執筆者一覧  

  • 柘植元一
  • 植村幸生
  • 濱崎友絵
  • 岡田恵美
  • 丸山洋司
  • サワン・ジョシ
  • アブドゥール・ラーマン 
  • 阿不都賽米・阿不都熱合曼(アブドセミ アブドラフマン)
  • ウメトバエワ・カリマン
  • 瀧 知也
  • 金光真理子
  • 佐藤文香
  • 三代真理子

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